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公益財団法人 建築技術教育普及センター
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平成25年度調査・研究助成、平成25年度第1回普及事業助成の決定について

 3月から4月にかけて公募した標記の助成事業について、調査・研究あるいは普及事業の計画を数多くお寄せいただきました。このたび、下記の通り助成対象を決定いたしました。
 なお、あわせて、今後の助成事業の実施予定のおおむねのスケジュールについてもお知らせします。

目次

 (1)調査・研究(平成25年度分)7件〔受付順〕
 (2)普及事業(平成25年度第1回分)8件〔受付順〕 

審査経過

 応募件数は、調査・研究助成18件、普及事業助成31件でした。
 調査・研究助成は、個人による申請44%、団体による申請56%でした。申請の区分ごとの割合については、
 (1) 建築設計、工事監理業務等(建築設備、インテリアに関わるものを含む)に関する調査・研究:21%
 (2) 建築教育、資格制度等(建築設備士、インテリアプランナーに関わるものを含む)に関する調査・研究:6%
 (3) 建築技術者の資質の向上、活用方策等(建築設備士、インテリアプランナーに関わるものを含む)に関する調査・研究:17%
 (4) (1)から(3)までのうち、2以上の分野にまたがる調査・研究:50%
 (5) その他、建築技術の教育普及に資する調査・研究:6%
でした。
 助成対象の決定に当たっては、次の方々から構成する審査委員会を設け、慎重に審査を行い、その審査結果に基づき、当センター理事長が助成対象を決定したものです。

建築技術教育普及調査事業等審査委員会(敬称略 五十音順)

 委員長 杉山 義孝(日本建築防災協会)
 委員 秋山 哲一(東洋大学)
 委員 小林 克弘(首都大学東京)
 委員 小峯 裕己(千葉工業大学)
 委員 鈴木 秀三(職業能力開発総合大学校)
 委員 鈴木 眞生(建築技術教育普及センター)
 委員 古橋 剛 (日本大学)
 委員 村口 峡子(駒沢女子大学)

講評

建築技術教育普及調査事業等審査委員会

 本助成制度は、建築技術の教育普及が一層促進されることを目的として、平成22年度に実質的に開始されたものであり、今年度で4年目を迎えています。今年度も、幅広い事業内容に関して多くの意欲的な応募をいただきました。今後とも、本制度のさらなる活用により、建築技術の教育普及が一層促進されることを期待するものです。
 なお、審査に当たっては、以下に記載する観点から各審査委員間で議論を進め、評価を実施いたしました。また、本審査結果は、調査・研究や普及活動そのものの絶対的価値を判定したものではなく、本助成制度の趣旨に基づき、予算の範囲内で助成効果が効果的に得られるか否かの評価を相対的に実施したものであることを申し添えます。

1 調査・研究助成

(1)本助成制度の対象として優位に評価できるか否かについて、下記の評価基準の観点等を中心に審議を実施し、事業の順位付けを行いました。

  • 調査・研究が目指そうとしている成果により、建築技術者の啓発や資質の向上が図られること、国民の建築技術者への理解や信頼を深めることが期待できること、または、建築実務、教育制度のあり方等を提案しようとするものであること
  • 調査・研究の実施方法や体制・行程が明確で実行可能なものであり、掲げた調査・研究の目標を達成しうると判断できること
  • 調査・研究の目的や内容に新規性、独自性が高く、今後の展開の可能性があると判断できること

(2)採択された案件については、分野やテーマは多岐にわたっていますが、建築設計・工事監理業務の海外展開に資する国際的な調査研究、建築分野の教育システムの国際的な方向性等に関する調査研究、地域の建築文化の継承に資する調査研究など、建築分野における国際化の進展や建築技術の地域性の評価等の観点からの調査研究が比較的多くみられました。
 採択された案件ごとの選評については、下記の一覧表に掲載しているとおりです。
(3)以上の審査の結果、調査・研究助成として事業件数7件の採択を致しました。

2 普及事業助成

(1)本助成制度の対象として優位に評価できるか否かについて、下記の評価基準の観点等を中心に審議を実施し、事業の順位付けを行いました。

  • 普及活動を通じて広めようとする内容が、建築技術者が体得すべき建築実務面で有用な知見である、若しくは、国民の建築技術者への理解や信頼を深めるものであると判断できること
  • 講演会などを企画・実施する方法や体制・行程が明確で、実行可能なものであり、期待する効果が発揮できると判断できること
  • これまで毎年問題なく実施している等、申請者の本来事業として行うべき事業と考えられるものではないこと

(2)採択された案件については、中学生を対象に木造住宅の耐震化の仕組みをわかりやすく伝える事業、歴史的建築物の保存活用のための防災計画に関する講習会を開催する事業など、地震や火災といった災害の対応に関する事業や、関東大震災後に復興事業の一環として建築された復興小学校等の保存活用事例やその際の建築士の役割等を普及する事業など、まちづくりへの建築技術者の関与の可能性を広げるような事業が比較的多くみられました。
 採択された案件ごとの選評については、下記の一覧表に掲載しているとおりです。
(3)なお、過去に同一事業主体が同一のテーマにより採択され、継続的な応募とみられる案件については、本助成制度の趣旨を効果的に実現する観点から、相対的に優先度を落とすことといたしましたが、昨年度の成果の状況等を勘案し、採択継続の必要性について議論を行ったうえで、必要性の高いものについては採択したものがありました。
(4)以上の審査の結果、普及事業助成として事業件数8件の採択を致しました。

助成対象案件

(1)調査・研究(平成25年度分)7件 〔受付順〕

名称 実施者 選評
東日本大震災における地震及び津波による住家被災の特徴及び構造形態の違いによる被災の軽重並びに復旧技術、復旧費等の調査研究 (一社)宮城県建築士事務所協会 これまでに実施した東日本大震災の7,465棟の住宅罹災調査結果をもとに、地元の建築技術者において、住家被災の特徴及び構造の形態による被災の軽重について分析を行うとともに、復旧技術、復旧費等の実態について調査研究を行うものである。大震災後の住宅復旧の実態について建築技術的観点から記録・分析しておくことは、今後の住宅防災に関して有用な知見となるとともに、地元の建築技術者が地域研究として行う点を評価する。
設備改修工事に係る設備設計業務量の基礎的調査及び研究-2 (一社)日本設備設計事務所協会 設備改修工事の設計・監理業務量基準の確立を目的として、平成24年度に引き続き、工事タイプ別、建物用途別、元請・下請等の受託形態別等の業務量の実態を調査・分析するものである。設備改修工事に係る設備設計等の業務報酬・業務量については、これまで資料の蓄積が少ない分野であり、業務報酬・業務量の算出方法の確立に向けた有意義な調査研究である。
建築家資格制度の教育要件としての4+2システムの発展性に関する研究 田中友章(明治大学理工学部建築学科教授 国際連携本部副本部長) 質の高い人材育成が効果的に行えるように実践的かつ国際的な教育プログラムの開発・実践を進めることを目的として、これまでの調査研究の成果をもとに、日本と親和性の高い教育要件としての4+2システムの具体的な発展の方向性を検討するため、米国・韓国での動向やアジア諸国の現状を調査・分析するものである。今後の日本の建築士制度のあり方や、建築教育や建築士資格の日本型システムが国際的にどう整合していくかを考える上で有益な調査研究である。
コーポラティブ方式を担う建築技術者に必要な知識と資質向上のための業務マニュアルの作成 特定非営利活動法人コーポラティブハウス全国推進協議会 コーポラティブ方式による住宅供給において建築士が中核的なコーディネーターとしての役割を果たすことで建築士の業務拡大を図ることを目的として、近年のコーポラティブ方式の実態調査、課題整理、業務モデルの構築とマニュアル作成を行うものである。居住のあり方についての今日的検証になるとともに、建築士の新たな活躍分野を開拓することにつながる点で評価する。
建築実務ガイドブック(韓国・中国編)作成事業 (公社)日本建築士会連合会 日本・韓国・中国の建築士制度、建築士の業務内容や業務フロー等の資料を収集し、作成したハンドブックの成果をもとに、海外に進出して仕事をする建築士に対して、海外の設計環境の理解を促すための日本語のガイドブックを作成するものである。設計業務の海外展開を進める上で貴重な基礎的資料となるとともに、建築技術者の国際化に資する調査研究と評価する。
「インテリア・リフォーム系キャリア教育」の産学連携支援に関する総括的調査・提言研究 「インテリア・リフォーム系キャリア教育」支援構想委員会 インテリアやリフォームの専門分野における人材育成を目的として、インテリアやリフォームに関する産学連携組織の拡充を図るとともに、インテリア・リフォーム系の大学の若手卒業生を対象としたキャリア形成状況、大学教育に対する改善ニーズ等に関する調査等を実施し、人材育成方策やキャリア形成支援方策等について提言を行うものである。インテリアプランナー等に対する意識の向上を図る上で有意義な企画であるとともに、インテリアやリフォームの教育分野がキャリアに結びついていく上での有益な成果を期待する。
建築職人アーカイブ (公社)富山県建築士会 建築に関する職人の再評価と地域建築文化の継承に資することを目的として、富山県内の各地に残る建築関連技術やその伝承者を調査し、後世に伝えるための資料を作成・公表するものである。失われつつある建築技術・職人技能の伝承や建築技術に関する情報の体系化の観点から有意義な調査研究である。

(2)普及事業(平成25年度第1回分)8件 〔受付順〕

名称 実施者 選評
「旧大谷公会堂」の再生利用に向けた具体的な活動並びに大谷石建築と大谷石産業の歴史・文化的価値の普及を目的としたイベントの実施 NPO法人 大谷石研究会 旧大谷公会堂の再生利用及び大谷石建築と大谷石産業の歴史・文化的価値の普及を目的として、市民参加によるシンポジウム、展示会、建物の補修工事や清掃・美化作業等のイベントを開催する事業である。助成により実施した昨年度の成果を踏まえ、継続的な活動の効果を期待する。
「地震に強い木造の家の仕組みを1/10の組立模型で体験してみよう」 長岡造形大学 後藤研究室 木造住宅の耐震化をより一層普及させるため、中学生にその仕組みをわかりやすく理解させることを目的として、木造在来軸組工法の10分の1組立模型を利用して中学生を対象とした講習会を行う事業である。大規模地震への備えが喫緊の課題となる中での今日的テーマであるとともに、中学生向けの体験型・実践的教育である点を評価する。
住宅設計コンペ「かしこい家」 (一社)東京建築士会 建築技術・知識の普及を図るとともに、一般市民に向けて建築士の優れた職能をPRすることを目的として、低エネルギー消費と豊かな暮らしを両立させる住宅設計コンペを実施する事業である。コンペの企画性を評価するとともに、建築士の役割を社会に認識させる点を期待する。
社会に向けての構造設計パンフレット(2012年3月発行)の解説編の発行 (一社)日本建築構造技術者協会 構造技術者の信頼を高めることを目的として、平成23年度に作成した構造設計パンフレットに関して、建築主等との対話のツールとしてより詳しくよりわかりやすく伝えるための解説編を作成する事業である。構造設計に関する解説書の作成は、建築主等に対して構造技術者の理解を深める上で有益な事業であると評価する。
(1),(2)夏休み!親子建築・造形教室
(3)まちのアート・建築発見とマップづくりワークショップ
なぎさ・くらし支援センター 小中学生に建築への興味を持たせることを目的として、夏休みに建造物の模型づくり教室を開催する事業である。小中学生対象の体験学習会及び地域活動としての企画性を評価する。
「文化財建造物の保存活用のための防災計画」講習会事業 (公社)日本火災学会文化財建造物防災専門委員会 歴史的建造物の安全な活用等を目的として、建築士等を対象とした歴史的建造物の保存活用事例の解説、保存活用のための防災計画手法の演習的講習等の研修を実施する事業である。価値ある歴史的建造物を後世に伝えるために有益な事業であるとともに、防災の観点からの啓発事業として期待する。
講義科目「建築生産」に関するモデルシラバス及びシラバス計画解説のWeb出版 建築環境ワークス協同組合 建築生産教育に一定の規範を醸成することを目的として、平成24年度助成で実施した調査研究をもとに建築生産に関するモデルシラバス及びシラバス計画解説をWeb出版する事業である。建築生産教育の重要性を考慮するとともに、建築教育における問題提起の意味も含め意義のある取組みと評価する。
「復興小学校を始めとする歴史的建造物の保存・再生・活用とまちづくりへの展開における地域の建築士のかかわり」普及事業 復興小学校研究会 地域社会における建築専門家の認知、建築専門家の社会貢献活動への参加促進を目的として、歴史的建造物の保存活用事例、地域との連携における建築士の役割等をまとめた冊子の作成、シンポジウムの開催等を行う事業である。まちづくりへの建築技術者の関与の可能性を広げる事業として評価する。

今後の募集予定

平成25年度第2回普及事業助成の募集予定

 今年度9月以降平成26年3月末日までに実施を予定する普及事業を対象として9月頃に募集を開始する予定であり、募集案内は9月上旬頃にホームページに掲載する予定です。

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