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公益財団法人 建築技術教育普及センター
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作品名:古き良き倉庫と共生する地域図書館

作品名と受賞者名の画像

<講評>


図書館、短大、高校、市民施設が仕切りなく一体となった一画にあり、かつて米の運送に使われた引き込み線跡をコミュニティ・プロムナードとし地域への開放と一体化をはかっている。元々別々の敷地であったが、1934年建設の8棟の米倉庫の一部を得て短大のアトリエとしたのが始まりで、この敷地計画は8棟全部の倉庫の保存再生を前提に、行政や地元住民の方と一緒に考える中で作られてきた。
米倉庫は基本が実用優先で特に空間的配慮やデザインがあった訳でもないが、多量の米を備蓄出来るボリュームと、大切な食糧を貯蔵する建物として極めてしっかりと存在感あるものとして建てられている。その骨格を生かした内装も過不足無く十分であり、また随処にこの長い生命を持つ建物の空間を楽しめるような工夫が施されている。またこの倉庫を眺め倉庫から眺められるスペースとして対置されたエントランス棟と、倉庫図書館が囲む半外部空間も興味深い。貴重な建築遺産を再生しながら敷地を作り出し、のびのび広々としたインテリア空間を創っているだけでなく、更に敷地全体を地域に融けこませる仕掛けも備えている。設計者の熱意・誠意と共に、ユーザー・地域住民に愛され地域に融け込んでいると思わされる佳品である。

 (湯本長伯)

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