指定科目に関するQ&A

令和4年7月28日

目次

1 制度関連

Q1.

 指定科目制度の背景、概要を教えてください。

A.

 構造計算書偽装問題を受けて建築士法が改正(平成20年11月28日施行)され、建築士試験の受験資格については「所定の学校の課程を修めて卒業後、所定の実務経験」から「国土交通大臣が指定する建築に関する科目(以下「指定科目」という。)を修めて卒業後、所定の実務経験」に変更されました。

 具体的な指定科目及び必要な単位数については、国土交通省告示及び都道府県告示において定められており、各学校等において修得した指定科目(あらかじめ申請により指定科目に該当することが確認された開講科目)の単位数によって、個人ごとに「試験時」「登録時」の「必要な実務経験年数」が異なる場合があります。

 そこで、当センターに設置した「建築士試験指定科目確認審査委員会」(以下「指定科目確認審査委員会」という。)において、各学校等・課程から申請のあった開講科目が指定科目に該当するかどうかの確認を行い、建築士試験を受けようとする者は、受験申込に当たって、卒業した学校等が発行する「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」を受験申込書に添付して提出することが必要となります。

 この指定科目制度については、改正建築士法の施行日(平成20年11月28日)以後に学校等に入学した者(平成21年入学者)から適用となります。なお、法施行時にすでに所定の学校を卒業している者、法施行時に所定の学校に在学する者で施行日以後に当該学校を卒業したものについては、経過措置として、従前の学歴要件が適用されます。

Q2.

 高等専門学校から大学3年に編入した者の建築士試験の受験資格はどうなるのでしょうか。編入先の大学で指定科目の単位が認定された場合、その大学の修得単位証明があればよいのでしょうか。
 また、平成21年及び平成22年に大学3年次への編入生(平成19年、平成20年入学生の学年に編入する場合)については、旧建築士法の学歴要件の対象者となるのでしょうか。

A.

 原則として、編入先の大学において、当該大学課程における指定科目と同等のものとして認めた科目については、編入先の大学課程が指定科目として置換えて証明することができます。
 なお、このように指定科目の単位を置き換えて証明する場合には、「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」に添付して「置換科目一覧表」の発行が必要となります。
 また、高等専門学校を卒業後、平成21年、平成22年に大学3年次へ編入(平成19年、平成20年入学生の学年に編入する場合に限る。)した者については、旧建築士法の学歴要件の対象者となります。

Q3.

 高等専門学校等で本科を卒業した後、専攻科に入学し卒業した場合、専攻科で修得した単位を加えることができるのでしょうか。

A.

 本科と専攻科の教育が一貫したカリキュラムが実施されるものとして、予め、指定科目の確認申請(「本科+専攻科」の課程として申請)を提出し、指定科目確認審査委員会等の確認を受けた場合に限り、「本科+専攻科」の指定科目として取扱うことができます。

Q4.

 他学科で修得した単位を指定科目の単位として、加えることができるのでしょうか。

A.

 予め、他学科で開講している科目を当該課程の開講科目に加えて確認申請を提出し、申請課程のカリキュラムの一部として、指定科目確認審査委員会等において確認された場合に限り、申請課程の指定科目として取扱うことができます。

Q5.

 教員の資格等(建築系の専任教員数、有資格者の人数、常勤・非常勤等)についての条件はあるのでしょうか。また、学校の施設(試験・実験施設、試験機器等)についての条件はあるのでしょうか。

A.

 教員の資格、学校の施設については、指定科目の対象となるための条件ではありません。ただし、建築士試験の指定科目の確認申請を提出するに当たっては、学校教育法等の根拠法に基づく設置基準を満たすことが前提となります。

2 指定科目確認審査基準関連

Q6.

 卒業研究、卒業制作は、指定科目として認められるのでしょうか。

A.

 いずれの科目についても、授業内容が特定できないものは指定科目の対象となりません。したがって、卒業研究、卒業制作等は、原則として、指定科目となりません。

Q7.

 国土交通省告示で規定する「必修科目」と指定科目確認申請書に記載する「必修・選択」の「必修」は同義なのでしょうか。

A.

 同義ではありません。
 告示で規定する「必修科目」は、建築士の受験資格を得るために所定の単位数を履修する必要がある国土交通大臣が指定する建築に関する科目を指すものであり、一方、申請書に記載する「必修・選択」は、当該科目が大学、短大、高専、高校等のカリキュラム(教育プログラム)において、卒業するための要件としての必修科目か選択科目かを指すものです。
 したがって、卒業するための要件としての「選択科目」は指定科目の対象としないことを意味するものではなく、所定の基準を満たすことが指定科目確認審査委員会等において確認されれば、指定科目となります。

3 指定科目確認申請の手続き関連

Q8.

 指定科目の確認申請(新規申請)を提出するに当たって、申請する学校・課程・コースに関する条件はあるのでしょうか。

A.

 指定科目の確認申請(新規申請)に当たっては、以下の1)2)3)が条件となります。
 1)当該学校・課程・コースが学校教育法等の設置基準を満たしていること(新規申請に当たっては「学校設置の許可証」の写しの添付が必要です。)
 2)建築士試験の学歴要件を満たす卒業者に対し、所定の「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」を発行すること
 3)指定科目確認審査委員会での審査結果(事前通知)に基づき、速やかにPDF形式で登録用シラバスをメール添付提出いただくこと

Q9.

 新規申請・変更申請等の確認申請の提出期限は決められているのでしょうか。

A.

 指定科目の確認は、授業内容の確認であることから、新規申請・変更申請の提出時期については、原則として、当該科目が開講される前に指定科目確認審査委員会による確認が完了できるように行ってください。
 特に変更申請については、卒業時には「変更申請で確認された指定科目名」等が明記された「建築士試験 指定科目修得単位証明書・卒業証明書」の発行が必要となる場合があることから、遅延なく行っていただくとともに、遅くとも該当する学生が卒業する時点までに、その変更が認められた場合は変更事項について証明書発行の担当者等に対する周知、徹底をしてください。

Q10.

 確認申請の際に添付書類として提出するシラバスについて、様式、記載事項、分量(字数)等は決められているのでしょうか。

A.

 シラバスについてはA4版の紙で提出をお願いしています。(可能であれば、1科目1枚でお願いしています。)
 学校独自のシラバス様式で構いませんが、指定科目確認審査委員会において、具体的な授業内容、授業回数ごとの内容が明記されていない等、指定科目に該当するかどうかの確認に支障があるシラバスであると判断された場合、追加資料等を求められることがあります。

Q11.

 申請書類の添付資料である「学年別授業科目一覧」について、一般科目が含まれているものでも構わないでしょうか。

A.

 指定科目についてのみの一覧が望ましいですが、一般科目が含まれているものでも構いません。

Q12.

 申請書類の添付資料である「根拠法令に基づく学校設置の許可証等の写し」について、公立の学校でも必要なのでしょうか。

A.

 原則として、公立の学校であることがわかるもの(学校設置条例の写し等)を添付してください。

Q13.

 シラバスの確認によって指定科目と認められなかった科目は、シラバスを見直すことにより再度確認を受けることは可能でしょうか。

A.

 可能です。
 再申請により提出されたシラバス等について、指定科目確認審査委員会で再確認を行い、指定科目に該当することが確認されれば指定科目となります。

Q14.

 確認申請する科目が「必修」でも「選択」でもなく「選択必修」であるが、申請様式(新旧対照表等)には、どのように入力すればよいのでしょうか。

A.

 原則として、「必修」以外は「選択」と入力してください。

Q15.

 指定科目の新規申請・変更申請の手続き等に当たっては、審査手数料は必要なのでしょうか。

A.

 審査手数料は必要ありません。ただし、確認申請に係る書類・資料の送付料金については、申請者の負担でお願いします。

Q16.

 過去の新規申請等の際に連絡(申請書に入力)した申請連絡担当者又は証明書発行担当者が人事異動等で変わった場合、どのような手続きが必要なのでしょうか。

A.

 担当者名、役職名、電話番号、FAX番号、メールアドレスをメールにて、連絡してください。

Q17.

 指定科目が確認された学校課程において、学長(校長)が変わった場合、どのような手続きが必要なのでしょうか。

A.

 学長(校長)のみの変更については、原則として、変更申請の必要はありません。ただし、指定科目の確認中に学長(校長)が変わった場合には、メールにて連絡してください。

Q18.

 指定科目の確認申請の結果については、どこから、どのような通知がされるのでしょうか。

A.

 指定科目の確認結果については、当センターから国又は都道府県へ報告した後、当センターから申請課程の申請者宛に「確認結果通知文書」をメールにて送付します。(国又は都道府県から申請者宛の通知はありません。)

4 指定科目修得単位証明書・卒業証明書関連

Q19.

 「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」は入学年ごとに様式を統一したほうが、今後の事務処理が適正に行われると考えられますが、センターから統一様式の提示等はしてもらえないのでしょうか。

A.

 証明書様式の作成に当たっては、当センターで作成したモデル様式に各課程の指定科目を掲載したものの電子データ(Microsoft Excel 形式)をメール送信することが可能ですので、必要な場合には「入学年」「学校課程コード」「対象となる入学年」を明記のうえ、メールにて要請してください。

Q20.

 「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」は一級建築士試験用と二級・木造建築士試験用の2種類を別様式で発行することになるのでしょうか。

A.

 令和3年より、一級・二級・木造建築士試験の受験資格を有する指定科目を開講している学校課程については、一級建築士試験用と二級・木造建築士試験用の統一様式を各学校課程へ送信しております。
なお、一級建築士試験(もしくは木造建築士試験)と二級建築士試験の両方を受験する場合は、それぞれに提出が求められます。

Q21.

 「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」を随時発行するよりも、卒業時に建築士試験の学歴要件を満たす者に対して一斉に発行したほうがよいのでしょうか。

A.

 指定科目制度では、旧制度(課程ごとの認定)とは異なり、同じ課程を卒業した場合であっても修得した指定科目の単位数等により、個人ごとに、「試験時」「登録時」の「必要な実務経験年数」が異なる場合があります。したがって、本人からの証明書の発行請求には学校等において随時対応していただくことを前提としていますが、卒業時に所定の指定科目の要件を満たす者に対して、個別に、かつ、一斉に発行することは、卒業生が建築士試験を受験する際に証明書の発行請求する必要がなくなるとともに、「試験時」「登録時」の「必要な実務経験年数」を予め確認できるため、望ましい対応であると考えられます。

Q22.

 「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」は、卒業生から発行依頼があった場合、建築士試験の学歴要件を満たさない者(指定科目の修得単位が不足する者等)にも発行して構わないでしょうか。

A.

 建築士試験の学歴要件を満たさない者には発行しないでください。

Q23.

 建築士試験の受験申込みに当たって、「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」の発行日の有効期限は定められているでしょうか。

A.

 特に発行日の有効期限は定められていません。

Q24.

 「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」の発行に当たって、証明書の右上に「発刊番号」を付けても構わないでしょうか。

A.

 証明書の余白部分等に「発刊番号」を付けて発行しても構いません。

Q25.

 「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」の発行に当たって、厳封する必要あるのでしょうか。

A.

 「指定科目修得単位証明書・卒業証明書」は、受験申込時に申込者本人が開封し、「受験資格」、「試験時」「登録時」の「必要な実務経験年数」を確認する必要があるため厳封しないようお願いいたします。