長寿社会対応住宅設計指針


 21世紀の本格的長寿社会を控え、高齢者等が可能な限り住み慣れた地域社会で安心して生活できるようにすることが求められています。 このためには、生活の基盤である住宅が、高齢期においても住み続けられるようなものとなっていることが重要です。
 このため今後建設される住宅の指針として、「長寿社会対応住宅設計指針」が建設省により策定され、平成7年6月23日付けで都道府県等に通知されました。



目次

 ・長寿社会対応住宅設計指針の概要


 ・建設省住宅局長から各都道府県知事あて通達「長寿社会対応住宅設計指針について」
 (平成7年6月23日付建設省住備発第63号)

■長寿社会対応住宅設計指針


 ・建設省住宅局住宅整備課長から各都道府県住宅主務部長あて通達「長寿社会対応住宅設計指針の補足基準について」
  (平成7年6月23日付建設省住備発第68号)

■長寿社会対応住宅設計指針の補足基準


(問合せ先)


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長寿社会対応住宅設計指針の概要

長寿社会対応住宅設計指針の概要は次のとおりです。


(1)適用範囲

@主として新築(建替を含む)される住宅を対象
A一般的な設計上の配慮事項を示すもの

(2)指針の構成及び考え方

@設計指針本体と、具体的な寸法、仕様等を示す補足基準から構成
A基準は、加齢等に伴う一定の身体弱化(杖類及び歩行器の補助具を利用して自立した生活可能な状態)に対して、そのまま又は比較的軽微な改造により対応を可能とする使用を確保するという考え方に基づき設定
B一部の項目については、安全性、快適性をより高めることや日常生活に介助を要する場合(例えば介助用車いす等を利用して動きまわれる状態)にもより適切に対応を可能とする使用を推奨基準として提示
(なお、補足基準については、社会状況の変化や技術の進展等を踏まえ、必要に応じて見直しを行う)

(3)内容

@指針は、
イ.戸建住宅及び集合住宅の住戸専用部分に関する部屋の配置、段差、手すり、通路・出入口の幅員、玄関、階段、便所、浴室等
ロ.屋外空間及び集合住宅の共用部分に関するアプローチ、共用階段
について、全体で44項目を設定

A主な内容は、
・玄関、便所、浴室、居間、高齢者等の寝室はできる限り同一階に配置
・住戸内の床は、原則として段差のない構造
・階段、浴室には手すりを設置又は設置準備
・通路、出入り口は介助用車いすの使用に配慮した幅員(通路78cm以上、出入り口75cm以上)
・階段の勾配、形状等の安全上の配慮
・便所、浴室は、できる限り介助可能な広さの確保




建設省住備発第63号

平成7年6月23日

知事殿

建設省住宅局長

長寿社会対応住宅設計指針について

21世紀の本格的長寿社会を控え、高齢者が可能な限り住み慣れた地域社会で 安心して生活できるようにすることが住宅施策の重要な課題となっている。 このため、今後建設される住宅については、健常者にとって住みやすいだけでなく、加齢等により一定の身 体機能の低下や障害が生じた場合においても、基本的にそのまま住み続けることを可能とし、 居住者が出来るかぎり長い間、自立した日常生活を送れるよう建築当初から配慮することが必要とされている。
また、社会福祉施策においては在宅介護の充実が重要な課題となっており、 その円滑な推進を図るため、住宅の設計に当たっては介助のしやすさにも配慮する必要がある。
このため、昨年制定された「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる 特定建築物の建築の促進に関する法律」(平成6年法律第44号)の第14条の規定に基づく高齢者、 身体障害者等が円滑に利用できる建築物の建築の促進に関する国民の理解を深めるための教育活動、 広報活動等の一環として、別紙のとおり、長寿社会対応住宅設計指針を策定したので送付する。
貴職においては、本指針の趣旨を踏まえ、公営住宅、特定優良賃貸住宅、 公社住宅等公的機関が建設する住宅をはじめ広く一般の住宅の設計にあたって、本指針が活用されるよう 努められたい。
また、貴管下市町村(政令市を除く。)、地方住宅供給公社及び 建築士会等関係団体に対しても、この旨周知徹底されるようお願いする。



長寿社会対応住宅設計指針


第1 総則

1 指針の目的
この指針は、加齢等による身体機能の低下や障害が生じた場合にも基本的に そのまま住み続けることができるような住宅の設計について指針を示すことにより、高齢社会に対応した住宅 ストックの形成を図ることを目的とする。

2 適用範囲等
(1)この指針は、主として新築(建替を含む)される住宅を対象とする。
(2)この指針は、一般的な住宅の設計上の配慮事項を示すものであり、現に特定の身体機能の低下や 障害が生じている居住者のために個別的な配慮を行うときは、その居住者の状況に応じ、本指針に示すもの以外 の設計上の工夫を行う必要がある場合がある。
(3)この指針は、社会状況の変化や技術の進展等を踏まえ必要に応じて見直すものとする。


第2 住宅(集合住宅の場合は住戸専用部分)の設計指針

1 通則

(1)部屋の配置
(イ)玄関、便所、洗面所、浴室、脱衣室、居間・食事室及び高齢者等の寝室は、できる限り同一階に配置する。
(ロ)高齢者等の寝室と便所、洗面所、居間・食事室は、できる限り近接配置とする。
(ハ)本指針において、高齢者等の寝室とは、住宅新築時に高齢者等が居住しない部屋であっても、 将来高齢者等の寝室に用いることが想定される居室を含む。
(ニ)便所、洗面所、浴室又は脱衣室が複数設置される住宅の場合は、少なくともこれらの複数設置された部屋 の1ヶ所は本指針によるものとする。

(2)段差
住戸内の床は、原則として段差のない構造のものとする。 ただし、玄関の出入口及び上がりかまち、浴室出入口、バルコニー等への出入口にあっては、この限りではない。

(3)手すり
(イ)階段、浴室には、手すりを設ける。
(ロ)玄関、便所、洗面所、脱衣室、居間・食事室、高齢者等の寝室等及び廊下等には、 手すりを設けるか設置できるようにする。
(ハ)手すりは、使用しやすい形状、材質とし、適切な位置に設置する。

(4)通路・出入口の幅員
住戸内の廊下等の通路及び出入口は、できる限り歩行補助具及び 介助用車いすの使用に配慮した幅員を確保する。

(5)床・壁の仕上げ
住戸内の床・壁の仕上げは、滑り、転倒等に対する安全性に 配慮したものとする。

(6)建具
建具は、開閉がしやすく、安全性に配慮したものとする。また、建具のとって、 引き手及び錠は使いやすい形状のものとし、適切な位置に取付ける。

(7)設備
(イ)住戸内の給水給湯設備、電気設備、ガス設備は、安全性に配慮するとともに、操作が容易なものとする。
(ロ)住戸内の照明設備は、安全上必要な個所に 設置するとともに、十分な照度を確保する。
(ハ)火災その他のための通報装置及び警報装置等を設けるか、設置できるようにする。

(8)温熱環境
各居室等の温度差をできる限りなくすよう断熱及び換気に配慮するとともに、 年間を通じて適切な温度が維持できるように暖冷房設備等を用いることができる構造とする。

(9)収納スペース
日常使用する収納スペースは、適切な量を確保するとともに、無理のない 姿勢で出し入れできる位置に設ける。

2 住戸内各部

(1)玄関
(イ)玄関の出入口に生じる段差は、安全性に配慮したものとする。
(ロ)玄関は、できる限りベンチ等が設置できる空間を確保する。
(ハ)上がりがまちの段差は、安全上支障のない高さとし、必要に応じて式台を設置する。

(2)階段
階段の勾配、形状等は、昇降の安全上支障のないものとする。

(3)便所
(イ)便所は、できる限り介助可能な広さを確保する。
(ロ)便所の出入口は、緊急時の救助に支障のない構造のものとする。
(ハ)便器は、腰掛け式とする。

(4)洗面所・脱衣室
(イ)洗面所は、手洗い等の利便性に配慮したものとする。
(ロ)脱衣室は、衣服の着脱等の安全性等に配慮したものとする。

(5)浴室
(イ)浴室は、できる限り介助可能な広さを確保する。
(ロ)浴室の出入口に段差が生じる場合は、安全上支障のない形状の段差とするとともに、出入口に 縦手すりを設置する。
(ハ)浴室の出入口建具は、安全性に配慮するとともに、緊急時の救助に支障のない構造のものとする。
(ニ)浴槽は、安全性に配慮した形状、寸法とする。

(6)高齢者等の寝室
高齢者等の寝室は、できる限り介助に必要な広さを確保するとともに、遮音性能や避難のしやすさに配慮する。

(7)バルコニー等
バルコニー等については、出入口に生じる段差を安全性に配慮した形状とする等の配慮を行う。


第3 集合住宅の屋外空間及び共用部分の設計指針

1 アプローチ等
(1)主要な団地内通路及び住棟出入口は、歩行及び車いすでの移動の安全性及び利便性に配慮した構造とする。
(2)住棟出入口附近には、できる限り、自動車が寄り付けるようにするとともに、駐車スペースを確保する。

2 共用階段
共用階段の勾配、形状等は、昇降の安全上支障のないものとする。

3 共用廊下
共用廊下は、できる限り車いす利用に配慮した幅員等を確保するとともに、 段差は設けない。

4 床の仕上げ・手すり
(1)アプローチ、住棟出入口、階段、傾斜路及び共用廊下等の床の仕上げは、滑りやつまずきに対する 安全性に配慮したものとする。
(2)階段、傾斜路及び共用廊下には、手すりを設ける。
(3)手すりは、使用しやすい形状、材質とし、適切な位置に設置する。

5 エレベーター
(1)6階以上の高層住宅にはエレベーターを設置するとともに、できる限り3〜5階の中層住宅等にも エレベーターを設ける。
(2)住棟出入口からエレベーターホールへの通路、エレベーターホール及びエレベーターのかごは、 車いす利用に配慮した形状、寸法等とする。

6 照明設備
屋外アプローチ及び共用部分の照明設備は、安全性に配慮して十分な照度を 確保する。


第4 戸建住宅の屋外空間の設計指針

1 アプローチ等
(1)住戸へのアプローチ通路等は、歩行及び車いす利用に配慮した形状、寸法等とする。
(2)屋外階段は、勾配、形状等を昇降の安全上支障のないものとする。
(3)屋外の照明設備は、安全性に配慮して十分な照度を確保する。


建設省住備発第68号


平成7年6月23日


住宅主務部長殿

建設省住宅局住宅整備課長


長寿社会対応住宅設計指針の補足基準について

長寿社会対応住宅設計指針(以下「指針」という)については、6月23日 付け建設省住備発第63号で通知されたところであるが、本指針の円滑な活用を図るため、具体的な指標等 として下記のとおり寸法、仕様等の補足基準を設定した。
指針及び本補足基準においては、加齢等に伴う一定の身体的弱化 (杖類及び歩行器の補助具を利用して自立した生活が可能な状態)に対して、そのまま又は比較的軽微な 改造により対応を可能とする仕様(介助用車いすを利用する場合にあっても、基本的な日常生活を送るため、 最小限必要な移動を可能とする仕様)を確保するという考え方に基づき基準を設定している。
項目によっては、安全性、快適性をより高めることや、日常生活に介助を 要する場合(たとえば介助用車いす等を利用して動き回れる状態)にもより適切に対応可能とする仕様を 推奨基準として設定し、経済的、空間的条件が許せば選択できるようにしている。
なお、本補足基準については、社会状況の変化や技術の進展等を踏まえ 必要に応じて見直すこととする。

 


T指針第2(住宅(集合住宅の場合は住戸専用部分)の設計指針) について


1.通則

(1)部屋の配置
・玄関、便所、洗面所、脱衣室、浴室、居間・食事室及び高齢者等の寝室の 同一階配置の確保にあたっては、高齢者等の寝室については、将来における軽微な改造(間仕切り設置等) により、同一階に確保できる場合を含む。
・高齢者等の寝室及び便所とそれ以外の室とは、ホームエレベーターや 階段昇降機等を設置するか設置できるように措置されている場合は、同一階に配置しなくてもよい。

(2)段差
・高齢者等が利用しない居室、居間の一角に設ける畳コーナー等については、 高齢者等の基本的な日常生活における移動経路上にない場合は、段差があっても差し支えない。

(3)手すり
・階段の少なくとも片側の手すりは、当初から設置し、設置しない側には 将来設置できるようにする。
・階段の手すりは、廊下等の手すりと連続している場合を除き、 できる限り端部を20cm以上水平に伸ばす。
・浴室については、浴槽出入りのための手すりを設置するとともに、 できる限り浴室出入口にも手すりを設置する。
・玄関については、靴等の着脱のために上がりかまち部に手すりを設けるか 設置できるようにする。
・便所については、立ち座り、姿勢保持のための手すりを設けるか設置 できるようにする。
・脱衣室には、衣服の着脱等のための手すりを設けるか設置できるようにする。
・廊下、階段、洗面所、居間・食事室及び高齢者等の寝室の移動のために 設ける手すりの設置高さは、床仕上面(階段の場合は段鼻)から75cmを標準とする。
・水平手すりの端部は、できる限り壁側又は下側に曲げる。
(推奨)
・階段の両側に手すりを設置する。
・浴室には、浴槽内での立ち座り、姿勢保持のための手すり等、洗い場の 立ち座りのための手すりを設置する。

(4)通路・出入口の幅員
・通路の有効幅員は、78cm(柱等の箇所にあっては75cm)以上とする。
・出入口の有効幅員(開き戸では建具の厚み、引き戸では引き残しを除いた 幅員)は、75cm以上(浴室の出入口にあっては65cm以上、やむを得ない場合65cm以上とする。) とする。ただし、玄関及び浴室以外の出入口については、やむを得ない場合、改造により有効幅員 75cm以上とすることができるようにする。
・廊下の屈曲部及び廊下から直進できない出入口に接する廊下については、 できる限り介助用車いすの回転が可能な空間を設けるか、又は改造によって当該空間を設けることができる ようにする。
(推奨)
・通路の有効幅員は、85cm(柱等の箇所にあっては80cm)以上とする。
・出入口の有効幅員は、80cm以上とする。

(5)床・壁の仕上げ
・床は、滑りにくい仕上げとするとともに、転倒した場合の衝撃をやわらげる よう仕上げの材質等に配慮する。特に浴室については、滑りやすいので十分に配慮する。
・階段の踏面については、粗面にするかノンスリップを設けることとする。
・壁の出隅部は、できる限り面とりを行う等、形状、仕上げの材質に配慮する。

(6)建具
・玄関ドアが開き戸形式の場合、急激な開閉を防ぐため、ドアクローザーの 設置等を行う。
・浴室及び便所の建具の錠は、外から解錠可能とする。
・出入口ドア等にガラスを入れる場合は、安全ガラスを用いるか又は 桟付建具として1枚あたりのガラス面を小さくする。
(推奨)
・引き戸や開き戸のとって側に30cm以上の袖壁を設ける。
・玄関ドアは、親子扉(親扉の有効幅員は80cm以上)とする。
・建具、造付け家具等に用いられるガラスのうち身体に接触する可能性の あるものは、安全ガラスとする。

(7)設備
・水栓金具は、レバー式等操作しすい形状のものとするとともに、湯温調整が 安全に行えるものとする。
・電気設備のスイッチ、コンセント等は、使いやすい高さに設置するとともに、 できる限りワイドスイッチや明かり付きスイッチを用いる。
・階段の照明は、複数設置等により踏面に影ができないようにするとともに 三路スイッチとする。
・ガス調理器具は立消え安全装置付きのものとする。
・台所にはガス漏れ検知器及び火災警報器を設置し、便所及び浴室にはできる 限り通報装置を設置する。
(推奨)
・階段には足下灯を設置する。
・玄関の上がりかまち部には、足下灯を設置する。
・台所には自動消火装置又はスプリンクラー等を設置する。
・高齢者等の寝室には通報装置を設置する。

(8)温熱環境
・便所、洗面所、脱衣室、居間・食事室及び高齢者等の寝室には暖房設備を 設けるか又は機器を設置できるようにするほか、地域の気候に応じて、居間・食事室及び高齢者等の寝室には 冷房設備を設けられるようにする。
(推奨)
・地域の気候に応じて、浴室には暖房設備を設ける。


2.住戸内各部

(1)玄関
・玄関の出入口においては、くつずりと玄関外側の高低差は2cm以下、 くつずりと玄関土間の高低差は5mm以下とする。
・玄関の上がりかまちの段差は、集合住宅については11cm以下とする。 戸建住宅については18cm以下とし、やむを得ない場合は式台を設置するか、設置できるスペースを設け、 土間と式台との段差及び式台と上がりかまちの段差を各18cm以下とする。
・玄関の上がりかまち及び式台は、段差が分かりやすいよう、できる限り材質、 色等で変化を持たせる。
(推奨)
・玄関の出入口においては、段差なしとする。

(2)階段
・階段の勾配は6/7以下、55cm≦T(踏面、以下同じ)+2R (蹴上げ、以下同じ)≦65cmとする。やむを得ない場合、階段の勾配は22/21以下、 55cm≦T+2R≦65cm、T≧19.5cmとするとともに勾配が45゜を超える場合は両側に手すりを 設ける。
・階段の構造は、最上段の通路等への食い込みや最下段の通路等への突出を さけるとともに、まわり階段等安全上問題があると考えられる形式はできる限り用いない。
・踏面のノンスリップを設ける場合はできる限り踏面と同一面とし、 蹴込み板を設置し、できる限り段鼻を出さないようにするとともに、蹴込みは2(やむを得ないcm場合は 3cm以下とする。
(推奨)
・階段の勾配は7/11以下、55cm≦T+2R≦65cmとする。

(3)便所
・できる限り便器側方に介助スペースを確保するか軽微な改造により確保 できるようにする。
(推奨)
・便所の広さは、内法で間口1.35m以上、奥行1.35m以上とする。

(4)洗面所・脱衣室
(推奨)
・いす座使用可能な洗面台を設置する。
・脱衣室(洗濯機を別の場所に置く場合は、その附近)には、下洗い用 シンクを設置する。

(5)浴室
・浴室の広さは、腰掛け台等を設置しても入浴行為に支障のない広さとして、 内法で短辺1.4m以上かつ広さ2.5u以上とし、やむを得ない場合、集合住宅にあっては、 短辺1.2m以上かつ広さ1.8u以上、戸建住宅にあっては、短辺1.3m以上かつ広さ2.0u以上とする。
・浴室の出入口の段差は、2cm以下の単純段差とし、やむを得ない場合は、 手すりを設置しつつ、浴室内外の高低差12cm以下かつまたぎ高さ18cm以下とする。
・出入口建具は引戸または折れ戸を原則とし、やむを得ず内開き戸とする 場合は、緊急時には外部から取りはずせる構造とものとする。
・浴槽の縁の高さは30〜50cmとする。
(推奨)
・浴室出入口は段差なしとする。
・浴槽の縁は、腰掛けて浴槽に出入りできる形状のものとする。
・浴槽の縁の高さは35〜45cmとする。

(6)高齢者等の寝室
・高齢者等の寝室の広さは、約12u以上とし、やむを得ない場合は 約10u以上とする。

(7)バルコニー等
・バルコニー、テラス等への出入口の段差は、18cm以下の単純段差とし、 やむを得ない場合、25cm以下の単純段差か屋内側、屋外側とも18cm以下のまたぎ段差とし、手すりを 設置できるようにする。
・物干し金物の高さは、できる限り高齢者等に配慮する。
(推奨)
・集合住宅の隣戸避難口は、開き戸等開閉が容易な形式とする。


U指針第3(集合住宅の屋外空間及び共用部分の設計指針)について

1.アプローチ等
・屋外歩行空間は、幅員90cm以上とし、部分的に幅の広いところを設ける とともに、高低差が生じる場合にはできる限り傾斜路を設ける。
・屋外に設ける階段は、R≦16cm、T≧30cmとし、やむを得ない 場合には、T≧24cm、55cm≦T+2R≦65cmとする。
・傾斜路は、できる限り1/12以下の勾配とし、高低差 75cm毎に1.5m以上の踊り場を設ける。
(推奨)
・屋外歩行空間の幅員は、120cm以上とする。

2.共用階段
・共用階段は、階段、踊り場ともできる限り有効幅員を120cm以上と するとともに、勾配は7/11以下、55cm≦T+2R≦65cmとし、やむを得ない場合には、T≧ 24cm、55cm≦T+2R≦65cmとする。ただし、日常時の昇降はエレベーターによって行われる 等のため、共用階段が専ら非常時の避難用として利用されると考えられる場合を除く。
・共用階段の構造は、最上段の通路等への食い込みや最下段の通路等への 突出を避けるとともに、できる限り踊り場付き折れ階段又は直階段とする。
・踏面のノンスリップを設ける場合はできる限り踏面と同一面とし、 蹴込み板を設置し、できる限り段鼻を出さないようにするとともに、蹴込み寸法を2cm(やむを得ない場合は 3cm以下とする。
(推奨)
・共用階段は、R≦16cm、T≧30cmとする。

3.共用廊下
・共用廊下の有効幅員は、できる限り140cm以上とし、部分的に 車いすのすれ違いのためのスペースを確保する。
・共用廊下に面する玄関ドアの共用廊下側には、できる限りアルコーブ (入り込みスペース)を設ける。

4.床の仕上げ・手すり
・階段及び傾斜路には、少なくとも片側に手すりを設けるとともに、 その端部は、できる限り20cm以上水平に延ばす。
・共用廊下には、少なくとも片側に手すりを設ける。
・手すりの設置高さは、床面から75cmを標準とし、端部はできる限り壁側 又は下側に曲げる。
(推奨)
・階段及び傾斜路には、両側に手すりを設ける。

5.エレベーター
・住棟出入口から1階エレベーターホールへのアクセスに高低差が生じる場合 は、できる限り階段と傾斜路を併設するとともに、それぞれの有効幅員は120cm以上とする。
・エレベーターホールには車いすが回転できるスペースとして150cm角 以上を確保するとともに、エレベーター開口幅は80cm以上とする。
・エレベーターの乗り場ボタン及びかご内の操作盤は、車いす利用者に 配慮する。
(推奨)
・2階建て住宅にエレベーターを設置する。
・エレベーターのかごは、奥行き135cm以上、面積約2u以上で、 トランク付きとする。

6.照明設備
・共用階段の照明は、複数設置等により踏面に影ができないようにする。
(推奨)
・共用階段に足下灯を設置する。


V指針第4(戸建住宅の屋外空間の設計指針)について

1.アプローチ等 
・敷地に高低差がある場合は、緩勾配の階段や傾斜路を設けるとともに、 少なくとも片側に連続して手すりを設置する。
・階段を設ける場合は、道路から敷地へ入るための数段程度の階段は、 R≦16cm、T≧30cmとし、これ以外の屋外階段は、T≧24cm、55cm≦T+2R≦65cmとする。
・屋外階段の照明は、複数設置等により踏面に影ができないようにする。
(推奨)
・アプローチの段差部には、足下灯を設置する。



長寿社会対応住宅設計指針についての問合せ先

・国土交通省住宅局住宅整備課
〒100-8944 東京都千代田区霞が関2−1−3
TEL(03)5253−8111(代)